あの子は海の匂いがする

黙ることを覚えます

0930

朝がくると何となく、夜のうちにできたことをもっとすればよかったと思う。

例えばあったかい飲み物を片手に星空を見るだとか、夜風に当たって誰かに電話をしてみるだとか、こういう、さみしい気持ちのときに、もっとさみしくなることをすればよかったなあと思う。

 

最近は朝と夜、少し風が冷たくなっていて、雨の日も少しばかり多い。

季節が移り変わっていくのを部屋の窓からじっと見ている。

私は雨が好きだ。

低気圧のせいでどれだけ頭が痛くなろうとも、鬱屈した気分にさせられようとも、雨が降るときの音が好きだし、傘を差すことも好きだし、雨が降って物憂げになる街も好きだ。

そんなことを母親に言うと、疲れてるんだねと一蹴された。

かくいう母は雨が降るととても口数が増える。

母も雨が好きなのではないだろうかと私は何となく思う。

 

さっき適当に作った紅茶の上に、余っていて処理に悩んでいたホイップをかけた。

ウインナーコーヒーみたいで、美味しい。

これからはこういう風に余ったホイップは使おうと思った。

 

隣の部屋から生活音がする。